AI/ロボティクス
「スパイダーロボ」登場 がれきを走破しAIで物体の硬さも判定 災害現場での活用へ
ITmedia AI+•2026年7月23日
クモを模した6本脚ロボットが、がれきの上を歩きながらAIで物の硬さまで判定します。埼玉県のアトラックラボが発表した「スパイダーロボ」の特徴と、その背景を整理しました。
これまでの流れ
スパイダーロボ発表に至るまでの流れを振り返ります。
2021年7月
熱海土砂災害
静岡県熱海市で大規模な土石流災害が発生し、流出した土砂やがれきにより消防車両が近づけず、救助資機材を現場まで運び込めない事態が課題となりました。
2021年11月
消防用搬送ロボットを発表
アトラックラボはアームレスキューと共同で、消防資機材を無人搬送できる小型ロボット「ARG90-4WD」を発表し、災害対応ロボットの開発に本格的に着手しました。
2026年7月22日
不整地対応技術を相次ぎ発表
同社は福島県の補助金事業への採択を発表するとともに、産業用クローラーロボット「AT-Crawler」も発表するなど、不整地対応・無人化技術の展開を加速させていました。
2026年7月23日
今日
「スパイダーロボ」登場 がれきを走破しAIで物体の硬さも判定 災害現場での活用へ
要点
- アトラックラボは、クモを模した6本脚の不整地対応ロボット「スパイダーロボ」を発表しました。実際のクモより脚が2本少ない構成で、各脚を独立制御することでがれきなど不安定な足場の上でも走破できるとされています。
- ロボットは4本の脚で姿勢を保ちながら、残る2本の脚で対象物に触れることで、硬い・柔らかいといった物理的な性質を判定できる点が特徴です。触覚による情報とボディに搭載したカメラによるAI画像認識を組み合わせることで、対象物の状態をより詳しく把握できるとされています。
- 想定されている用途は、倒壊建物内の状況確認やインフラ設備の点検、災害現場での捜索・調査などです。人が立ち入りにくい危険な現場での活用が期待されています。
- 同社は今後、実用化に向けて自律歩行や遠隔操作、周囲認識AIの性能向上に取り組むとしています。
なぜ重要か
災害現場では、倒壊した建物やがれきの中に人が立ち入って状況を確認する作業に大きなリスクが伴います。スパイダーロボのように不整地を歩行しながら対象物の硬さといった物理的な性質までAIで判定できるロボットが実用化されれば、要救助者の有無やがれきの安定性を人がその場に入る前に把握できる可能性があります。触覚とAI画像認識を組み合わせた判定は、映像確認だけでは得にくい情報を補う手段として、災害対応やインフラ点検の現場での意思決定を支える技術になり得ると考えられます。
この先の見立て
アトラックラボは今後、自律歩行や遠隔操作、周囲認識AIの性能向上に取り組むとしています。現時点では発表段階であり、実際の災害現場や倒壊建物内での運用実績は今後の検証にかかっていると見られます。同社はこれまでも消防用搬送ロボットや産業用クローラーロボットなど不整地対応機の開発を重ねてきており、スパイダーロボがその延長線上でどこまで自律性や信頼性を高められるかが、実用化に向けた焦点になりそうです。
※ 実用化の具体的な時期や、災害現場への配備計画については現時点で公表されていません。
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