経済/物価
6月の企業物価指数、前年比7.1%上昇 3年3カ月ぶりの伸び率
日本経済新聞(2026年7月10日)•2026年7月10日
6月の国内企業物価指数が前年比7.1%上昇し、2023年3月以来3年3カ月ぶりの高い伸び率となりました。原油高の影響が非鉄金属や化学製品などに幅広く波及しており、今後の消費者向け価格への転嫁が焦点となっています。
これまでの流れ
原油高が企業間の取引価格を押し上げるまでの流れを振り返ります。
2026年2月
中東情勢の緊迫化
イスラエル・米国によるイラン攻撃を受けて中東情勢が緊迫化し、原油価格が急騰したとされています。
2026年4月
原油高が波及
原油高の影響が輸入物価に波及し、4月の国内企業物価指数は前年比4.9%上昇となりました。
2026年5月
伸び率が加速
5月の企業物価指数は前年比6%台まで加速し、石油・石炭製品などの伸びが目立ちました。
2026年7月10日
今日
6月の企業物価指数、前年比7.1%上昇 3年3カ月ぶりの伸び率
要点
- 日銀が7月10日に発表した6月の国内企業物価指数(速報)は135.4となり、前年同月比7.1%上昇しました。5月の伸び(6.6%)や市場予想(6.8%)を上回り、2023年3月以来3年3カ月ぶりの高い伸び率となっています。
- 上昇をけん引したのは非鉄金属(前年比39.2%)で、銅やアルミニウムなど金属市況の上昇が反映されたとされています。石油・石炭製品も22.8%、化学製品も14.4%上昇するなど、原油高の影響が幅広い品目に波及していると報じられています。
- 背景には2月末の中東情勢の緊迫化を受けた原油価格の急騰があり、原油やナフサの値上がりが石油化学製品などに順次波及してきた経緯があります。
- 輸入物価指数(円ベース)も前年比29.7%上昇と、2022年10月以来の高い伸びとなっており、円安も加わって輸入コストの上昇圧力が強まっているとみられています。
なぜ重要か
企業物価指数は、企業同士が原材料や中間財を取引する際の価格動向を示す指標で、消費者物価の先行指標としても注目されます。川上にあたる原油や金属の価格上昇が、化学製品やプラスチック製品、包装資材などを経て段階的に川下へ波及していく構造があり、6月の伸び率拡大は原料コストの上昇圧力がなお強いことを示しているとされています。この負担が最終的に店頭価格に転嫁されるか、企業が利益を削って吸収するかによって、家計への影響の度合いは変わってきます。
この先の見立て
日銀の担当者は、原料価格の上昇を販売価格に転嫁する動きが引き続き幅広い品目でみられると説明しているとされています。中東情勢や為替の動向次第では、輸入物価の高止まりが続き、企業物価の伸びがさらに拡大する可能性も指摘されています。今後は、この川上の価格上昇が消費者物価にどこまで、どの時期に波及するかが焦点となりそうです。なお本記事は報道内容を整理したものであり、個別の物価見通しを断定するものではありません。
出典記事を読む
日本経済新聞(2026年7月10日)
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