AI活用/エンタメ
Netflix、今年配信予定の約300作品で生成AIを活用と表明
ITmedia NEWS•2026年7月17日
Netflixが2026年内に配信予定の約300作品で生成AIワークフローを活用していることを明らかにしました。制作期間の短縮とコスト圧縮の具体例も示され、映像制作現場でのAI活用が実用段階に入りつつあることが浮き彫りになっています。
これまでの流れ
Netflixが生成AI活用を公表するまでの流れを振り返ります。
2024年4月
AI画像を巡る批判
true crimeドキュメンタリー「What Jennifer Did」で、被害者の写真とされる一部画像がAI生成・加工された可能性を指摘され、制作サイドの説明にもかかわらず議論を呼びました。
2025年7月
初のAI VFX活用を公表
Netflixは2025年第2四半期の決算発表で、実写オリジナル作品として初めて生成AIをVFX(視覚効果)に用いたことを明らかにしました。SF作品「The Eternaut(エターナウタ)」のビル崩壊シーンで活用され、従来手法より大幅に短い期間で制作できたと説明されています。
2026年7月16日〜17日
約300作品での活用を発表
Netflixは第2四半期決算発表に合わせた株主向け書簡で、2026年に生成AIワークフローを活用した作品が約300本に上ると明らかにし、電話会見でサランドス共同CEOが「The American Experiment」などの具体例を説明しました。
2026年7月17日
今日
Netflix、今年配信予定の約300作品で生成AIを活用と表明
要点
- Netflixは2026年7月16日(現地時間)の第2四半期決算発表に合わせて公開した株主向け書簡で、2026年に生成AIワークフローを活用した作品が約300本に上ると明らかにしました。
- AI活用が最も集中しているのは、撮影後の編集・仕上げを担うポストプロダクション工程とされています。
- 決算発表後の電話会見でテッド・サランドス共同CEOは、米ドキュメンタリーシリーズ「The American Experiment」でAIによって強化された映像が17分含まれ、従来手法の2倍の速さ、半分のコストで制作できたと説明しています。
- インドの作品「Glory」でも、群衆シーンや歴史上の戦闘シーンなど複雑なシーケンスの制作にAIが活用されたとされ、サランドス氏は、優れた作品には優れたクリエイターが欠かせないとの考えを示した上で、AIによるコスト削減分は制作費の圧縮ではなくコンテンツへの再投資に回る可能性が高いとの見方を示しています。
なぜ重要か
Netflixのような大手配信企業が、生成AIの活用範囲を具体的な作品数とともに公表したことは異例です。制作期間の短縮やコスト圧縮が実際の数値とともに示されたことで、映像制作業界全体でAI活用が既に実用段階に入りつつあることを裏付ける事例として受け止められています。一方で、2023年の脚本家組合(WGA)ストライキではAIの活用範囲を巡る労使間の懸念が焦点の一つとなった経緯もあり、クリエイターの仕事や表現のあり方への影響についても関心が寄せられています。
この先の見立て
Netflixは今後も、企画開発からプレビジュアライゼーション、ポストプロダクションまで、生成AIの活用範囲をさらに広げていく方針とされています。サランドス氏はAIによるコスト削減分をコンテンツへの再投資に回る可能性が高いとの見方を示しており、今後は作品ごとのAI活用の開示のあり方や、視聴者・業界からの受け止め方が焦点になるとみられます。日本を含む各国の制作現場でも、同様の活用が広がるかどうか注目されます。
※ 生成AIツールを提供する具体的なパートナー企業名は、報道内で明らかにされていません。
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