AI活用/科学研究
MetaのAIモデル「SAM 3」「DINOv3」、米5大国立研究所の科学研究を加速 画像解析が1カ月から15分に短縮
Meta AI公式ブログ•2026年7月22日
米エネルギー省が主導する国家科学プロジェクト「Genesis Mission」で、Metaの画像認識AI「SAM 3」と「DINOv3」が5つの国立研究所の共同基盤に採用されたと発表されました。干ばつ耐性ブドウの研究では、専門家が1カ月かけていた画像解析作業が約15分に短縮されたとされています。
これまでの流れ
SAM3・DINOv3が科学研究に採用されるまでの流れを振り返ります。
2025年8月
DINOv3公開
Metaが自己教師あり学習(正解ラベルなしでデータからパターンを学ぶ手法)による画像認識モデル「DINOv3」を公開しました。17億枚の画像と70億パラメータで学習しており、追加の微調整なしに物体検出やセグメンテーションなど幅広い視覚タスクに対応できる性能を示したとされています。
2025年11月
SAM 3公開とGenesis Mission始動
Metaがテキストや例示画像で対象物を指定して検出・追跡できる「SAM 3」を公開しました。同じ11月には米大統領令により米エネルギー省主導の国家科学AI構想「Genesis Mission」が始動し、17の国立研究所を巻き込んで科学研究の生産性を10年で倍増させる目標が掲げられています。
2025年12月
24組織との連携協定
米エネルギー省は、Genesis Missionを推進するためMeta、Amazon、Google、Microsoft、NVIDIA、Anthropic、OpenAIなど24の企業・組織と連携協定(MOU)を締結したと発表しました。
2026年7月22日
今日
MetaのAIモデル「SAM 3」「DINOv3」、米5大国立研究所の科学研究を加速 画像解析が1カ月から15分に短縮
要点
- 米エネルギー省(DOE)が主導する「Genesis Mission」の一環として、Metaのオープンモデル「SAM 3」と「DINOv3」が、バークレー・アルゴンヌ・ブルックヘブン・オークリッジ・SLACの5国立研究所による共同基盤「SYNAPS-I」の中核技術に採用されたと発表されました。
- SYNAPS-Iは、X線・中性子施設で得られる画像データの解析を対象としており、SAM 3が画像中の対象物を精密に切り出し、DINOv3が構造とその空間的な位置関係を識別する役割を担っているとされています。
- 干ばつ耐性ブドウの研究事例では、微小CTスキャンで得たブドウの茎の3次元画像から水分を運ぶ導管(木部)を自動識別する作業が、従来は専門家によるアノテーションで1カ月を要していたところ、約15分にまで短縮されたと報告されています。
- DOEの各施設では検出器の高度化により画像取得速度が6秒に1枚から毎秒10万枚へと向上しており、解析には国立スーパーコンピューティング施設のA100 GPU300基が活用されているとのことです。
なぜ重要か
科学的発見の多くは、実験で得られた大量の画像データを人手で解析する工程がボトルネックとなってきました。汎用の画像認識AIを国立研究所の実験基盤に組み込むことで、専門家が担ってきた注釈作業を自動化し、実験を進めながらリアルタイムに結果を確認できるようになる点が重要とされています。これは単なる効率化にとどまらず、仮説検証のサイクルを大幅に早め、新素材の開発や気候変動に強い農作物の研究など、幅広い分野で発見の速度そのものを変え得る動きとして注目されています。
この先の見立て
Genesis Missionでは今後、SYNAPS-Iで得られた知見を他の国立研究所や研究分野にも広げていく方針とされており、Meta以外の企業も含む24の連携組織との協業を通じて、AIモデルの活用範囲がさらに拡大する可能性があります。一方で、オープンモデルを重要インフラである国立研究所の基盤に組み込むことに伴うデータの取り扱いや検証体制については、今後も継続的な議論が必要になるとみられます。実用化の詳細な進捗については、続報が待たれます。
※ 画像取得速度やGPU台数などの具体的な数値はMeta公式ブログの発表内容に基づいており、第三者による独立した検証は確認できていません。
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