経済/財政政策
政府が「骨太の方針2026」を閣議決定 AI・半導体に370兆円、消費税減税は8月に先送り
日本経済新聞•2026年7月21日
政府は21日、高市政権として初となる「骨太の方針2026」を閣議決定しました。AI・半導体など成長分野に2040年度までに370兆円超を投じる方針を掲げる一方、焦点だった消費税減税は8月上旬に持ち越されました。
これまでの流れ
今回の閣議決定に至るまでの流れを振り返ります。
2025年6月13日
骨太の方針2025を閣議決定
当時の石破政権下で「骨太の方針2025」が閣議決定され、プライマリーバランス(基礎的財政収支)を2025年度に黒字化させる目標が3年ぶりに明記されました。
2025年10月21日
高市早苗内閣が発足
高市早苗氏が国会で首相に指名され、日本初の女性首相として第1次高市内閣が発足しました。
2026年2月18日〜
第2次高市内閣が発足、積極財政路線を継続
衆院選の結果を受け、全閣僚が再任される形で第2次高市内閣が発足しました。積極財政や安全保障の強化を掲げる方針が引き継がれ、社会保障国民会議では食料品の消費税減税を巡る与野党協議が続けられましたが、現金給付を優先すべきだとする野党との意見の隔たりが大きく、結論が出ないまま今回の骨太方針決定を迎えました。
2026年7月21日
今日
政府が「骨太の方針2026」を閣議決定 AI・半導体に370兆円、消費税減税は8月に先送り
要点
- 骨太の方針2026は、AIや半導体など「戦略17分野」を中心に、2040年度までに官民合計で370兆円超を投資する「日本成長戦略」を掲げています。
- 財政運営の目標は、従来のプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化の早期実現から、国・地方の債務残高対GDP比の安定的低下を中核とする枠組みへと転換されました。
- 最大の焦点だった食料品への消費税減税については、与野党の意見集約が難航していることなどを踏まえて結論を持ち越し、8月上旬をめどに方針を決定すると明記されました。
- 責任ある積極財政の考え方の下、通常の歳出とは別枠で新たな投資の仕組みを設ける方向も盛り込まれたと報じられています。
なぜ重要か
骨太の方針は政府の経済財政運営の指針となるもので、今回はプライマリーバランス黒字化という財政規律の目安から、債務残高対GDP比という新たな枠組みへの転換が明記された点が注目されています。歳出拡大に対する歯止めが弱まるのではないかとの懸念がある一方、AI・半導体分野への370兆円超という大規模投資は、日本の成長戦略の柱として位置づけられており、産業競争力の強化につながるかが焦点です。また、生活者の関心が高い食料品の消費税減税が先送りされたことで、物価高対策を巡る与野党の攻防は今後も続くとみられます。
この先の見立て
政府は8月上旬をめどに食料品の消費税減税についての方針を決定するとしており、社会保障国民会議での与野党協議の行方が引き続き注目されます。実際に減税を実施する場合はレジ改修など準備に半年程度を要するとされ、実施時期や財源を巡る調整も課題となりそうです。あわせて、AI・半導体等の成長分野への370兆円超の投資が想定通りに進むか、財政規律との両立を図りながら実行段階でどこまで具体化されるかが今後の焦点になるとみられます。
※ 370兆円投資の分野別内訳や実行スケジュールの詳細、また食料品の消費税減税の税率・実施時期などの具体的な制度設計は、いずれも今後(8月上旬の方針決定など)公表される見通しであり、本稿執筆時点では未確定の部分が含まれます。
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