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EU、GoogleにAndroidのAI相互運用と検索データ開放を義務化 DMAで初の拘束力ある決定
GIGAZINE•2026年7月17日
EUが7月16日、GoogleにAndroidでのAI相互運用性確保と検索データの外部開放を義務付ける2つの拘束力ある決定を採択しました。DMA(デジタル市場法)のもとでAI分野に本格的に踏み込んだ初の決定とされ、2027年にかけて競合AIサービスやライバル検索エンジンへのアクセスが広がる見通しです。
これまでの流れ
この決定に至るまでの経緯を振り返ります。
2023年9月
ゲートキーパー指定
欧州委員会はAlphabet(Google)を含む6社をDMAの「ゲートキーパー」に指定し、Android・検索・Playストアなど主要サービスに相互運用性や公正な競争の確保を義務付けました。
2026年1月
仕様決定手続きの開始
欧州委員会は、Android AI相互運用性(DMA.100220)と検索データ共有(DMA.100209)について、それぞれ具体的な履行方法を定める仕様決定手続きを開始しました。
2026年4月
暫定措置案の提示
欧州委員会はGoogleに対し、音声起動やシステム全体からのアクセスなどを含む暫定的な措置案を示し、AI事業者や端末メーカーを対象とした意見公募を実施しました。
2026年7月17日
今日
EU、GoogleにAndroidのAI相互運用と検索データ開放を義務化 DMAで初の拘束力ある決定
要点
- 欧州委員会は2026年7月16日、DMA(デジタル市場法)第6条7項に基づき、Android上で他社製AIアシスタントがGeminiと同様に音声起動やシステム全体からの呼び出しに対応できるよう求める決定を採択し、2027年7月からの適用を求めています。
- 同時に採択されたもう一つの決定では、DMA第6条11項に基づき、匿名化した検索のランキング・クエリ・クリックデータを、条件を満たす競合検索エンジンやAIチャットボット事業者に対し、公正・合理的かつ非差別的な条件で開放するよう義務付け、2027年1月からの開始を求めています。
- Googleでグローバル問題を担当するケント・ウォーカー氏は、今回の決定について「何百万人ものヨーロッパの人々にとって重要なプライバシーとセキュリティの保護を損なう恐れがある」と述べ、強く反発しています。
- 今回の2つの決定はいずれも「仕様決定」と呼ばれる手続きで、それ自体には制裁金は伴いません。ただしGoogleが従わない場合、欧州委員会は別途の非準拠認定を通じて制裁金や強制金を科す可能性があるとされています。
なぜ重要か
今回の決定が注目される理由は、EUがDMAの枠組みでAI分野に本格的に踏み込んだ初の拘束力ある決定である点にあります。スマートフォンの基本ソフトであるAndroidは世界で広く使われており、その中核機能への平等なアクセスが認められれば、他社製AIアシスタントがGeminiと同じ土俵で競争できる可能性が広がります。また検索データの開放は、AI検索やチャットボットの精度向上にも影響するとみられ、GoogleのAI・検索分野での優位性そのものに対する規制的な揺さぶりとして受け止められています。
この先の見立て
Googleは今回の決定に強く反発しており、法的な異議申し立てや修正を求める交渉を続ける可能性があるとされています。対応期限は検索データ共有が2027年1月、Androidの相互運用性対応が2027年7月に設定されているため、今後半年から1年程度は、具体的な実装方法や匿名化の技術的基準を巡る協議が続くとみられます。仮にGoogleが期限までに十分な対応を取らない場合、欧州委員会は別途の非準拠認定を通じて制裁金を科す可能性もあり、EUと米テック大手との規制摩擦は当面続く見通しです。
※ 本記事で扱う2つの決定(仕様決定)自体には制裁金は伴いませんが、これとは別に検索の自社優遇やPlayストアの規約を巡る非準拠認定・制裁金の動きも報じられています。金額など詳細が本記事執筆時点で確定情報として乏しいため、本記事では扱っていません。
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