経済/AI資金調達
英AI材料探索スタートアップCuspAI、英政府とベゾス氏の出資で450億円規模のシリーズB調達
Global Banking & Finance Review 他複数メディア•2026年7月20日
英ケンブリッジ発のAI材料探索スタートアップCuspAIが、英政府とジェフ・ベゾス氏の出資により450億円規模のシリーズBを調達し、評価額26億ドルに到達したと発表しました。
これまでの流れ
CuspAIがここまで成長を遂げた経緯を振り返ります。
2024年
CuspAI設立
英ケンブリッジを拠点に、化学者のチャド・エドワーズ氏と機械学習研究者のマックス・ウェリング氏らによってCuspAIが設立されたとされています。AIを用いて新素材の発見サイクルを高速化することを目指し、研究を開始しました。
2025年9月
シリーズAで1億ドル調達
New Enterprise Associates(NEA)とシンガポール政府系ファンドTemasekが主導する形で、CuspAIはシリーズAとして1億ドルを調達し、評価額5億2000万ドルに達したと報じられました。NVIDIAのベンチャー部門NVenturesやサムスン、現代自動車グループなども参加しています。
2026年7月20日
シリーズBで4.5億ドル調達
Kleiner PerkinsとNEAが主導する形で、CuspAIはシリーズBとして4億5000万ドルを調達したと発表しました。英政府のソブリンAIファンドとベゾス・エクスペディションズも参加し、評価額は26億ドルに達しています。同時にNVIDIAやMetaなど45社超が参加する新素材開発連合「AI Materials Foundry」も立ち上げられました。
2026年7月20日
今日
英AI材料探索スタートアップCuspAI、英政府とベゾス氏の出資で450億円規模のシリーズB調達
要点
- CuspAIは英政府のソブリンAIファンドとベゾス・エクスペディションズなどから4億5000万ドルを調達し、評価額は26億ドルに達しました。
- 調達と同時に、NVIDIAやMetaなど45社超が参加する新素材開発連合「AI Materials Foundry」を立ち上げています。
- 同社のAIプラットフォーム「MIRA」は、素材の設計からシミュレーション、合成経路の計画までを一貫して支援するとされています。
- 2026年の研究リソースの8割を半導体向け素材の開発に充てる方針で、半導体産業の競争力強化への貢献が期待されています。
なぜ重要か
今回の調達が注目される背景には、AIによる材料科学の加速が半導体・エネルギー・製造業など幅広い産業の競争力に直結するとの見方があります。従来数年かかるとされてきた新素材の発見サイクルをAIで大幅に短縮できれば、半導体材料や次世代電池材料の開発競争において先行者利益を得やすくなるとされています。英政府が自国のソブリンAIファンドを通じて出資した点も、AIと先端材料科学を国家戦略として位置づける動きの一環とみられ、NVIDIAやMetaなど大手テック企業が「AI Materials Foundry」に参加したことも、業界横断でこの技術基盤を活用しようとする姿勢の表れといえそうです。
この先の見立て
CuspAIは今年の研究リソースの8割を半導体向け素材の開発に振り向ける方針を示しており、今後は「AI Materials Foundry」に参加する企業との連携を通じて、具体的な新素材の実用化事例が出てくるかが焦点になるとみられます。評価額が10カ月足らずで5倍以上に伸びたことから、AI創薬分野に続く形でAI材料科学への投資が今後も活発化する可能性が指摘されています。一方で、AIが提案した新素材が実際に量産・実用化まで至るには相応の時間を要するとの見方もあり、成果が具体的な製品にどうつながっていくかが引き続き注目されます。
※ 円換算額(約450億円)は為替レートに基づく目安であり、調達額そのものは4億5000万ドルです。
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