経済/自動車
BYD、軽EV「ラッコ」を日本投入 214万5000円からサクラより割安
Impress Watch•2026年7月28日
中国の自動車大手BYDが、日本の軽自動車規格に合わせて専用開発した軽EV「BYD RACCO(ラッコ)」を7月28日に発売しました。価格は214万5000円からで、競合の日産「サクラ」より抑えつつ、軽乗用EVとしては初となる電動スライドドアを採用しています。
これまでの流れ
今回の発売に至るまでの経緯を振り返ります。
2022年5月
日産「サクラ」が軽EV市場を開拓
日産自動車は2022年5月に軽乗用EV「サクラ」を発表しました。政府補助金適用で約178万円からという手頃な価格が支持され、2022年度の国内EV販売のうち4割超をサクラが占めたとされています。
2023年1月
BYDが日本の乗用車市場に参入
中国BYDは2023年1月31日、SUVタイプの電気自動車「ATTO 3」を発売し、日本の乗用車市場に本格参入しました。これがBYDにとって国内での乗用車販売の第一歩となりました。
2025年4月
BYDが軽EVの国内投入を表明
BYD Auto Japanは2025年4月24日、日本専用設計の軽電気自動車を2026年後半に投入すると発表しました。開発は2024年9月に始まり、同年10月開催の「ジャパンモビリティショー2025」で試作車が初公開されたと報じられています。
2026年7月28日
今日
BYD、軽EV「ラッコ」を日本投入 214万5000円からサクラより割安
要点
- 本体価格はRACCO 200が214万5000円からで、サクラの最安グレード(244万8600円)より約30万円安く設定されています。
- ただし国のCEV補助金はBYDが15万円である一方、サクラは58万円のため、補助金適用後の実質価格ではサクラの最安グレード(約187万円)の方がRACCO(約199万5000円)よりも安くなるとされています。
- 軽乗用EVとしては初めてとなる両側の電動スライドドアを採用するなど、価格だけでなく装備面でも競合との違いを打ち出しています。
- 航続距離はWLTCモードで210〜320kmとされ、バッテリー保証は8年・16万kmで、有償で10年・20万kmまで延長可能としています。
なぜ重要か
BYDのような海外メーカーが、日本独自の軽自動車規格に専用設計のモデルを投入するのは異例の動きとされています。国内メーカーが軽EVの価格設定に慎重な姿勢を崩さない中、車両価格と装備の両面で競合を意識した設定は、軽自動車市場における価格競争を促す可能性があります。一方で、充電インフラ整備への貢献度などを反映する国のCEV補助金では海外メーカーが不利になる仕組みがあるとされ、車両本体価格の安さがそのまま実質負担額の安さに直結しない点も浮き彫りになっています。
この先の見立て
BYDは「ラッコ」の年間販売目標を1万台程度としていると報じられており、今後は納車体制やアフターサービス網の拡充が普及の鍵を握るとみられます。国内メーカー各社が軽EVのラインアップや価格戦略を見直す契機となるかどうかも注目されるところです。また、充電インフラへの貢献度を反映する補助金制度のあり方についても、海外メーカーの参入が進む中で議論が広がる可能性があります。
※ 文中の補助金額は原稿執筆時点の国のCEV補助金に基づく参考値で、自治体独自の上乗せ補助金は含んでいません。
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