AIモデル
iPhoneでも動く270億パラメータLLM「Bonsai 27B」、米スタートアップが公開
ITmedia AI+•2026年7月17日
27Bパラメータ級の大規模言語モデルが、スマートフォン単体で動く時代に入りつつあります。米PrismMLが公開した「Bonsai 27B」は、極限までの圧縮技術によってiPhone上でも高性能AIを動作させる可能性を示しています。
これまでの流れ
Bonsai 27B公開に至るまでの流れを振り返ります。
2025年4月
1-bit LLM技術の原型
米Microsoft Researchが、ネイティブに1.58ビットで学習した「BitNet b1.58 2B4T」を発表し、極めて少ないビット数でも性能を維持できる可能性を示しました。
2026年3月31日
PrismML始動
Caltech教授のBabak Hassibi氏らが設立したPrismMLがステルスモードを解除し、Khosla Venturesなどからシードおよびシンプルな将来株式契約(SAFE)で約1,625万ドルを調達したと発表しました。
2026年4月22日
ベースモデル公開
AlibabaのQwenチームが高密度モデル「Qwen3.6 27B」を公開しました。27Bパラメータながら大規模なMoEモデルを上回るコーディング性能などで注目を集めたモデルです。
2026年7月17日
今日
iPhoneでも動く270億パラメータLLM「Bonsai 27B」、米スタートアップが公開
要点
- PrismMLは、Alibaba系Qwenチームが2026年4月に公開した「Qwen3.6 27B」をベースモデルとして採用し、重みを1〜2ビットまで圧縮する独自の量子化手法で軽量化を実現したとされています。
- 1-bit版は3.9GB、Ternary(三値)版は5.9GBという軽さながら、15項目のベンチマークではフル精度モデルの90〜95%程度の性能を維持していると報告されています。
- テキストだけでなく画像入力にも対応するマルチモーダル構成で、262,144トークンという長いコンテキスト長も引き継いでいるとされています。
- モデルはApache 2.0ライセンスで公開されており、研究用途だけでなく商用利用も可能な形で提供されている点が特徴です。
なぜ重要か
これまで大規模言語モデルの高性能版はクラウド上のサーバーで動かすのが一般的でしたが、Bonsai 27Bのように27B級のモデルがスマートフォン単体で完結して動作するとなれば、通信環境に左右されないオフライン動作や、入力データを端末外に送らないプライバシー保護の観点で意味を持つと考えられます。またApache 2.0という利用制限の緩いライセンスでの公開は、企業が自社アプリへ組み込みやすくする効果も期待され、オンデバイスAIの実用ラインを引き上げる事例として注目されています。
この先の見立て
現時点でPrismMLはCaltechの研究成果をもとにした比較的若いスタートアップであり、Khosla Venturesなどから約1,625万ドルを調達した段階です。一部報道ではアップルが同社の圧縮技術の評価や買収交渉を進めているとも伝えられており、事実であればiPhoneのオンデバイスAI機能に同様の技術が組み込まれる可能性もあります。ただし買収に関する報道は本稿執筆時点で公式に確認されたものではなく、今後の推移を注視する必要があります。
※ アップルによるPrismMLの買収交渉に関する報道は、複数の海外メディアが伝えているものの、両社による公式発表ではなく確定情報ではありません。
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